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2020.11.29「美術館句会~俳人 大高翔さんをお迎えして~」レポート

 

§開催レポート§
松任中川一政記念美術館 美術館句会

~俳人 大高翔さんをお迎えして~ 

2020(令和2)年11月29日 10:00~12:00
参加者:15名

 

 「新収蔵記念 中川一政展」(2020.9.5~11.29、松任中川一政記念美術館)を会場に、俳人・大高翔さん(「藍花」副主宰・東京都)をお迎えして「美術館句会」を開催しました。大高さんは句作のほか、ライフワークとして、子どもたちや初心者向けの俳句指導や海外での俳句ワークショップにも取り組んでおり、国内外でご活躍中です。2008(平成20)年からは「千代女少年少女全国俳句大会」(白山市・千代女の里俳句館主催)の特別選者を務めるなど白山市とゆかりがあります。

 

 参加者は、俳句初心者からベテランまで15名。白山市内はもとより、野々市市、金沢市などの近郊の方々、そして東京「藍花俳句会」の方々も加わりました。吟行会場は、この日、開催最終日を迎える「新収蔵記念 中川一政展 不退転-人生100年時代を生きる力-」の展示室。
 初めに、大高さんから「美術館句会」における俳句づくりのヒントについて、担当学芸員からは作品の見どころや画家の創作姿勢などのレクチャーを受け、いざ館内を吟行。一政画伯の絵画や書などの作品や、愛用したマジョリカ陶器などからイメージをふくらませて句作しました。
 ひとり2句までを投句した後は、隣接する「松任ふるさと館」へ移動し「句会」体験です。講師の大高さんの進行で、互いによいと思う句を選び合う「互選」をし、選んだ句(3句)順に読み上げる「披講」を行いました。すべての人が披講を終えると、多くの人から選ばれた句(得点句)に注目し皆で鑑賞。その句を選んだ人が、選んだ理由や感想を述べ合った後、作者が「名乗り」をして句の背景を語りました。講師の大高さんから一句一句講評をいただき、時折拍手も起こる和気あいあいとした一座となりました。
 参加された皆さんの俳句の中から、この日多くの点を集めた句をご紹介します。

 

一政の孤高緋色の冬薔薇 恵

 

マジョリカの騎士の眼差し冬銀河 和典

 

ふり返りふり返り去る薔薇の部屋 茂樹

 

こわがらず描いてごらんと薔薇が言う 和子

 

 

天向くも地向くも自在冬椿 翔

 

 

※当日の講師抽出句はこちら「美術館句会~俳人大高翔さんをお迎えして~」俳句一覧 )をご覧ください。

 

 今回の「美術館句会」は、初手の方から熟練者、また地元の方から旅行者の方まで様々な方が一座し、多様な感性に触れるひとときとなりました。「俳句」というツールで中川一政作品を鑑賞し、そこから生まれた句を互いに味わうことにより、より深く、また新しい視点で作品世界に遊ぶ体験になったのではないでしょうか。
参加くださった皆様、そして大高翔さん、ありがとうございました。またの機会を楽しみにいたしております。

 

松任中川一政記念美術館 学芸員 徳井静華

 

①大高翔さんより、句作についてレクチャー

 

②館内を「吟行」

 

 

③隣接する松任ふるさと館にて「句会」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

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