作品コラム
§今週の1点 vol.13 中川一政「マリア園眺望」1960年
§今週の1点 vol.13
中川一政「マリア園眺望(長崎)」 中川一政《マリア園眺望(長崎)》1960年 NAKAGAWA Kazumasa 《View of Maria-en , Nagasaki》1960
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全国の中川一政ファンのみなさま、こんにちは。いかがお過ごしですか。松任中川一政記念美術館では、感染症拡大防止のための休館期間中、公式ウェブサイトにおいて「§今週の1点」と題する作品紹介コーナーを連載しています。
◆中川一政「マリア園眺望(長崎)」1960(昭和35)年
青く広がる空のもと、赤レンガ造りの「マリア園」と、その向こうに望む入り江が左右に配されています。入り江に誘われるように画面世界を巡ると遥かに眺める丘や白い雲に出会います。本作は、中川一政67歳の作品です。 いわゆるホーム・福浦港での格闘を小休止し、旅先に身を置いて新たな制作を試みたのでしょう。描いては削りを繰り返した厚塗りの画面が多い福浦港の連作とは一線を画した印象です。本作をよく見れば、建物の窓などは一筆で勢いよく引かれ、画面全体も薄塗りで仕上げられており、筆の伸びやかな走りが伺えます。広い眺望を無理なく場面に写し込んだ、一政60代の優品の一つと言えます。 本作を、展覧会「没後30年 中川一政展-二つの中川一政美術館展交流展-」(2021.10.1【開幕延期】–11.28、松任中川一政記念美術館)で是非ご覧ください。 2021.9.10掲載
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