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§今週の1点 vol.15 中川一政「少女像」1975年

§今週の1点 vol.15

 

中川一政「少女像」

 

中川一政《少女像》1975年

NAKAGAWA Kazumasa

《A Portrait of a Girl》1975

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全国の中川一政ファンのみなさま、こんにちは。いかがお過ごしですか。松任中川一政記念美術館では、感染症拡大防止のための休館期間中、公式ウェブサイトにおいて「§今週の1点」と題する作品紹介コーナーを連載しています。
 今回は、2021年10月1日から開幕予定の「没後30年 中川一政展-二つの中川一政美術館展交流展-」展示作品の中からご紹介してまいります。

 

◆中川一政「少女像」1975(昭和50)年
カンヴァスに油絵具/45.5×38.0センチメートル/個人蔵

 

 キュッと結んだ口を尖らせるようにしてこちらを見つめる少女。利発さを感じさせる大きな瞳とユーモラスな表情が、落ち着いた背景に浮かび上がり、見るものの心を捉えます。

 

 風景や静物の作品がよく知られる中川一政ですが、78年に及ばんとする画業の中で幾度か人物作品を手掛けています。20代は兄弟や知人らを描き、40~50代は子どもたちや知人、裸婦も描いています。70~80代には主に孫たちをモデルにしており、本作は一政82歳の時の作品です。90代初めにも裸婦が1点確認でき、生涯に描いた人物画は50点を超えます。
 
 さて、本作のモデルとなったのは一政の孫で女優であった中川安奈さんです。彼女が10歳の時の作品ですが、退屈なモデルから解放されて仕上がった画を見たときの落胆が想像できます。実際、安奈さんは「あんなに時間をかけたのに目も口もずれているの、おじいちゃんへたくそ!」と思ったと語ります。しかし、大人になって本作を見るとき、「今見るとすごいなと思うのは、いろいろな自分がそこには埋め込まれている。元気なところも暗いところも。描かれている間に見抜かれちゃったんでしょうね」とも。

 モデルの顔の表面をなぞり似せて描くのではなく、その人の内面や本質を捉え描き出す一政の手法を伝えるエピソードです。

 

 本作を、展覧会「没後30年 中川一政展-二つの中川一政美術館展交流展-」(2021.10.1【開幕延期】11.28、松任中川一政記念美術館)で是非ご覧ください。

2021.9.25掲載 
ご案内:松任中川一政記念美術館 学芸員 徳井静華

 

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●松任中川一政記念美術館サイト-[主な収蔵品]-[作品コラム]

 

 

 

松任中川一政記念美術館の所蔵作品は、以下のサイトで見ることができます。
●白山ミュージアムポータルサイト_収蔵品検索のページ
http://www.hakusan-museum.jp/goods/goods_search.php
●文化遺産オンライン(文化庁)_松任中川一政記念美術館のページ http://bunka.nii.ac.jp/museums/detail/12616

 

 

 

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